骨粗鬆症
骨粗鬆症は、骨量が減少して骨が弱くなり、骨折しやすくなる疾患です。骨強度の上昇、骨折の予防を心がけて生活の質を保つことが治療の目的になります。食事療法・運動療法を薬物療法と並行して行いますが、骨密度の減少具合によって治療法は異なります。骨折している場合にはギプスで骨折している部分を固定し、必要に応じて手術療法と薬物療法を行います。続発性骨粗鬆症はその他の疾患が原因で発症することがあり、その際はまず原因疾患を治療し、原因となり得る薬物の中断や減量を検討します。上記に挙げたもので対応が難しい場合には、骨粗鬆症の治療を積極的に行うことがあります。
腰痛
腰痛の原因は過労によるものが多く、適切でないマッサージを行うことで症状が悪化してしまうことがあります。整形外科分野においては多くの原因疾患があるとされます。一例として、脊椎圧迫骨折・筋膜腰痛症・腰椎分離症・腰椎すべり症などがあります。腰痛は多くの方が慢性的に持つ症状であり、受診の機会を逃しがちですが、自己判断せずに整形外科を受診し適切な治療を受けることをお勧めします。
痛風
痛風は足の親指の付け根や膝関節に、強い関節炎や激痛が起こります。症状が起こる原因は、尿酸が体内に溜まることによって結晶化することです。痛風は尿酸値が高い状態が長期間続くことで発症するので、まずは尿酸値を下げる治療を行います。また、痛風は関節のどこにでも発症する可能性があり、繰り返し発作が起こると関節軟骨が壊され、骨が変形していくことがあります。また、高尿酸血症と呼ばれる尿酸の毛中濃度が異常に高まった状態を放置すると、腎障害を引き起こす痛風腎を発症する可能性があるため、適切な治療を受けることが大切です。
肩関節周囲炎(四十肩・五十肩)
肩関節周囲炎は、男女差なく中高年に多く起こる四十肩・五十肩のことを指します。安静時、動作があるときにも痛みを感じ、特に夜間にズキンズキンと痛みが出ることがあります。放置することで、肩関節が癒着し、手を挙げる動作ができなくなるため、痛みや動きの緩和や改善には内服や注射、運動療法などが有効です。
打撲
接触が多くあるスポーツでよく見られる症状で、激しい衝撃によって皮下組織が傷つき、内出血を起こすことを打撲といいます。内出血によって出血斑が出て、皮下が青黒くなります。軽症のうちは湿布を貼り、包帯を使って圧迫固定をしますので、1~2週間程で完治が見込めます。打撲の範囲が関節周囲の場合や重度の症状が出た場合にはお早めに当院までご相談ください。
捻挫・靱帯損傷
外部からの強い力が加わることで、関節の痛み・腫れを伴い、皮下出血が起こる疾患を捻挫といいます。強い痛みを感じる場合は靱帯損傷を起こしている可能性がありますので、早期の受診してください。また、靱帯損傷を起こした場合、早急に固定しないと不安定性の残存と呼ばれる緩みが残って痛みが慢性化してしまうことがあります。
骨折
骨折とは、骨が壊れることを指します。手足や背骨の関節をねじったり、大きな力がかかることで骨が折れたりヒビが入ったり骨が一部分欠ける、凹むことがあります。診断にはレントゲン検査が有効で、骨折の仕方や骨折箇所によって治療法が異なります。骨には骨折しても治癒する力がありますが、治療時期を逃すと治すことが難しくなり、慢性的に痛みが生じることがあります。骨折しているかもしれないと思ったら早期に受診してください。
肩こり
肩こりは、首筋・首の付け根、肩または背中にかけてハリ、コリ、痛みを感じ、重度の場合は頭痛や吐き気を伴うことがあります。主な原因として、悪い姿勢・筋肉疲労・冷え・過度なストレスが挙げられます。頸椎疾患や肩関節疾患で肩こりが発生しやすく、肩こりの原因は様々あるために正確な診断を必要とします。気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。
頚椎症
頚椎の加齢による椎間板の老化や頸椎の骨が変性することで頚椎症が起こります。一般的な症状は首筋や背部にハリやコリを感じます。頸椎のすぐそばには神経があるため、神経根症や頚髄症を発症してしまうと手足に痺れを感じる、力が入らない・動きが悪くなることがあります。悪化させる前に早期の受診を心がけましょう。
変形性脊椎症・
腰部脊柱管狭窄症
加齢によって生じる疾患で、軽症の場合は無症状であることが多いです。腰椎の椎間板の変性、椎骨が変性することや、悪化すると慢性腰痛や可動域が制限されます。さらに脊椎管狭窄が起こると、下肢に腰痛の他に足の痺れや歩行のしにくさを感じます。これにより、数分の歩行がやっとの状態になります。診断方法として、レントゲン検査・MRI検査が挙げられ、正確な診断と症状に合った治療をする必要があります。
坐骨神経痛・腰椎間板ヘルニア
坐骨神経は神経の束であり、圧迫されると腰部臀部痛と共に電気が走ったような痛みや、ピリピリした痺れ、麻痺を感じます。場合によっては歩きにくくなり、感覚が鈍ることもあります。坐骨神経痛が起こる原因として、背骨の骨と骨の間にあるクッションのようなものの椎間板が神経を圧迫することが挙げられます。患者様の症状をよく聞いた上で、レントゲン検査やMRI検査を行って正確な診断と症状に合わせたアドバイスを行います。
変形性膝関節症
膝関節症の原因として、最も多いのは変形性膝関節症です。変形性膝関節症は、怪我や加齢によって長年ご自身の体重を支えてきた膝の軟骨が弾力性を失った状態ですり減り、次第に膝の痛みがだんだんと強くなっていきます。徐々に膝を動かしていなくても痛みが生じ、症状が進むと階段の上り下りや正座が困難となり、膝に水が溜まって症状が悪化していきます。早めに受診し、レントゲン検査で状態を確認して適切な治療を行うことが大切です。
ぎっくり腰
ぎっくり腰とは急に起こった強い腰の痛みを指し、正式名称は「急性腰痛症」といいます。ぎっくり腰はレントゲン検査では異常が見つからず、神経痛や麻痺も起こりません。早ければ、数日で治ることもありますが、多くは1~2週間程度で自然に回復します。強い痛みを感じる場合は、鎮痛剤の服用や湿布で治療します。また、腰痛用のコルセットを使用する場合もあります。
肉離れ
肉離れとは、運動中にふくらはぎ内側の中央上部や大腿部の筋肉が断裂してしまう怪我です。普段運動をしない方が運動することでふくらはぎや大腿に急激なダメージがかかり肉離れを引き起こします。肉離れが起こると歩くだけで激痛が起こり、歩行困難になります。断裂具合でギプスやサポーターを使用して治療します。損傷具合によりますが、治療後は軽い運動から少しずつ負荷の強い運動へと慣らしていきます。
ばね指・腱鞘炎
保存的療法として、患部の安静、ステロイド注射、投薬治療があります。ステロイド注射が有効で、3カ月以上症状が出ないことが多いですが、再発することもあります。ステロイド注射を行っても改善しない、再発を繰り返す場合には、手術を検討します。痛みの元となっている腱鞘を切開し一部を切り離すことで症状を改善させることができます。手術自体は1センチ程度の切開で済むため、小さな傷で済ませることができます。
腰椎分離症
腰椎分離症はスポーツなどで繰り返される腰椎への伸縮と回旋ストレスが原因となる関節突起間部の疲労骨折のことです。発育期のスポーツ選手に好発し、繰り返し腰に負担をかけることで発症します。まずは保存療法を選択します。腰椎分離症は3つの病期に分かれており、初期と進行期は骨癒合できますが、終末期はその可能性がとても低いとされています。当院では、患者様のニーズ・年齢・病期に合わせて話し合いをし、治療を進めていきます。
脊椎側弯症
この病気は、脊柱を正面から見た場合に左右に曲がっている状態を指します。日本国内では1~2%程の少ない発生頻度であり、乳児期は男児、思春期は女児に発症します。脊柱は思春期に成長し、その時期に悪化もしやすくなります。軽度の突発性側弯症の場合は、運動療法を行いながら経過観察します。進行した場合は、装具治療に移行します。保存的療法を行っても進行する場合には手術を行って矯正する必要があります。先天性や症候性の場合には将来のために早期の手術検討が必要な場合があります。
肘内障
肘内障は、橈骨頭のわずかの亜脱臼が一時的に起こっている状態のことです。幼児期・小児期によく見られ、特に2~6歳に多く発症します。男女差、左右差はありません。繰り返し起こりやすい病気ですが、成長と共に発症しなくなります。 徒手整復と呼ばれる治療法を行い、肘を直角に曲げて手のひらを上に曲げ、橈骨頭を押し込むようにゆっくりと前腕を内側にひねることで小さな音を立てながら整復されます。整復後は普段通り腕を使うことができ、固定も不要です。